ロスジェネ世代の下剋上

ロスジェネ世代転職歴多しのアッパーマス層サラリーマンが記すお金と教育と趣味等のブログです。

国語教育絶対論 (一に国語、二に国語、三、四が無くて、五に算数・・)

前回、悩ましい子供の早期英語教育について、同時通訳の第一人者である鳥飼玖美子先生(あのアポロ11号月面着陸時、同時通訳をしていた方です!)の「子どもの英語にどう向き合うか」という本を参考に「英語は幼児期からはじめるべき?」の結論という記事をエントリーしましたが、今回は、ベストセラー「国家の品格」の著者であり数学者の藤原正彦先生が書かれた「祖国は国語」(新潮文庫)を紹介したいと思います。

f:id:yusaku1976s:20210228164632j:plain

「祖国とは国語」藤原正彦著 新潮文庫

 

やはり藤原先生も、英語の早期教育には反対されており、幼少期には、全ての知的活動の基礎である国語の教育を徹底すべきと考えています。アメリカの大学で教鞭を執っていた時、数学の力では明らかに日本人学生に劣後する学生でも、理路整然と話しをすることができ、殊ディベートとなると、その論理的思考及び発信力は日本人を圧倒することに驚いたそうです。

 

日本の学校ではディベートとかやらないですからね~

ある主張と主張を戦わせて勝ち負けをつけるというよりは、「話し合い」という感じで、「いい落としどころ」を見つけるのをヨシとする感覚がありますからね。

 

但し、藤原先生は、厳しい国際競争の中で勝ち抜く為にそれをヨシとせず、国語教育についてもっと力を入れ、論理的思考能力を育むべきと説きます。

 

 数字は嘘をつかない。とよく言いますが、算数・数学は、万人共通の公理があり、普遍性があります。1+1は絶対に2です。

逆に、現実世界の論理に万人共通の公理はありません。論理の世界では、その思考の正当性より、相手を説得、納得させる表現力の方が重要となります。

 

論理的思考能力は国語を通じて学ぶことができます。

 

ある主張について、文章にして書くのでもいいし、実際に討論してもいい。物事を順序だてて説明しないと、相手を説得できない為、自然と「論理」の力がつきます。

 

この論理的思考能力を醸成する国語の重要性について、藤原先生は、

「一に国語、二に国語、三、四がなくて、五に算数。あとは十以下」とまで言います^^;

 

もちろん、これからも国際化は進み、英語の必要性も増してくることから、

英語学習を否定するものではありません。

 

但しそれは、エリートを目指す人やビジネスで英語が必要な人、あるいは自らが学びたい人が必死に勉強すればいいのであり、義務教育の段階で、国語の学習時間や質を落としてまで英語に力を入れる必要があるかと批判します。

 

フランスの小説家、ドーテの「最後の授業」に以下のようなシーンがあります。

普仏戦争でフランスが負けたため、プロイセン領となったある村では、フランス語での授業は禁止されることになり、今後はドイツ語で授業が行われることになった。フランス語で行われる最後の授業には、老先生の生徒だけでなく、かつての教え子や村の人まで聞きに来ていた。授業が行われ、その終わりに老先生が悲痛な表情で言った一言。

 

「国が占領されても君たちがフランス語を忘れない限り国は滅びない」

 

まさに「祖国とは国語」なのです。

 

また、「英語を上手に話せることよりも、内容が大切」ともよく聞きます。これについても、同著書の中で、

実際最近の若者の英語力向上は目覚ましく、外国人と平気で話す者も多い。一昔前の日本人が黙って微笑していたのとは大分違う。もっとも内容の方はむしろ下降しているから、かつては「何か深いものを内に秘めている」とせっかく外国人に思われていたのに、今では深いものなど何もないことがずっかりばれてしまった。内容のない日本人が世界のあちこちで得意の英語でしゃべりまくり軽薄を露呈することは、国益に反するとさえ言えよう。

と評します。痛烈ですね。。

 

今でしょ!の林修先生も、テレビ番組の中で、「東大生で英語の早期教育を受けている人はほとんどいない」「炎上覚悟で言うと、英語ができる人で、子供に早期英語教育させるのは、英語しかできない人」「英語で何をしゃべるかの方が重要」として、自身の子供には絶対早期英語教育は行わないと明言していました。

 

もちろん、それぞれ意見はあるとおもいますが、藤原先生の著書で主張される内容は、傾聴に値する言葉で溢れていました。

 

国際派数学者の国語論やユーモラスな藤原家のエッセイが楽しく読める良書です。

 

 

 

※国語については、論理的思考能力の前段階として、漢字の重要性も説かれていました。「漢字の習得は強制してでも」という感じです。自分の子供も漢字が大の苦手でしたが、チャレンジタッチで大復習中です。がんばらねば・・